【司馬遼太郎】『竜馬がゆく』文庫第8巻のあらすじと名場面3選
ついに完結!坂本竜馬の最期と未来へのメッセージ

こんにちは、読書とゴルフと晩酌が日々の楽しみな50代会社員ブロガーです。
今回は、いよいよ完結巻――司馬遼太郎の『竜馬がゆく』文庫第8巻をご紹介します。

この最終巻では、竜馬の人生が“政治の中核”へと入り、そして衝撃のラストへと向かっていきます。
戦わずして時代を変えようとした男が、命を懸けてやろうとしたこととは?

読後、しばらく胸がいっぱいになる一冊です。

『竜馬がゆく』文庫第8巻のあらすじ・感想

物語はいよいよ最終局面へ――大政奉還の実現
坂本竜馬が構想し、土佐藩を通じて幕府に働きかけていた「大政奉還案」。
ついに、第15代将軍・徳川慶喜が政権を朝廷に返上するという歴史的決断が下されます。

これにより、戦争ではなく“話し合いと構想”で日本の政権移行が行われるという、
世界史的にも稀な革命が実現。

竜馬は裏方として奔走し、政治家でも軍人でもない一個人が国家の転換点をつくったという点で
、まさに「維新の原動力」として輝きを放ちます。

新政府の青写真「船中八策」
竜馬は大政奉還を実現したあと、「次にどう統治するか」という問題に向き合います。
彼が用意したのが、あの有名な「船中八策」。これは、明治新政府の基本構想とも言える内容で、
以下のような要点が含まれていました

議会の設置

官制改革

憲法の制定

人材登用の公平化

貿易自由化 など

この時点で、すでに近代国家の骨格をイメージしていた竜馬。
剣も持たず、地位もなく、それでも「国家のビジョン」を描けるということの重みを痛感します。

京都・近江屋での暗殺――竜馬、志半ばに倒れる
そして――あまりにも有名な、近江屋での暗殺事件。
慶応3年11月15日、竜馬と中岡慎太郎が京都・近江屋で何者かに襲撃され、命を落とします。

竜馬33歳。あまりに早すぎる死でした。
彼が与えられた歴史的役割がここまでだったという事なのでしょう。

犯人はいまなお諸説ありますが、それ以上に大事なのは、
「竜馬の死が時代のエネルギーを加速させた」という事実。
彼の残した理念とネットワークは、後の明治政府の礎となり、生き続けていくのです。

初心者にもおすすめ!感動の名場面3選

①【竜馬が後藤象二郎に「大政奉還」を語るシーン】

土佐藩の重臣・後藤象二郎に、大政奉還の必要性を語り、彼の背中を押す竜馬。

上士と下士、かつては敵対関係にあった二人が、ここで「国の未来のために」心を一つにします。
階級も立場も超えて、対話と理で動かす――まさに竜馬らしい、人を動かす力の真骨頂。

②【船中八策を仲間に語るシーン】
海援隊の仲間たちに、竜馬が新政府の構想を語る場面。船上という場所が象徴的です。

“夢を語る”というのは簡単。
でも、竜馬はそれを「仕組み」に落とし込んで説明できる人間だった。
この場面では、竜馬の“未来を見る力”がしっかり描かれています。

③【暗殺直前、お龍と過ごす穏やかな時間】
お龍と過ごす、ほんの短い穏やかな時間。
竜馬は政治や戦のことを忘れ、ただの“夫”としての顔を見せます。

竜馬が“ただの志士”ではなく、一人の人間であったことが伝わる温かなシーン。
だからこそ、直後に訪れる悲劇が、より深く胸に刺さるのです。

まとめ|竜馬の人生と『竜馬がゆく』という物語の到達点

文庫全8巻を通して描かれてきたのは、
一人の青年が、国家という巨大な存在を“構想と行動”で動かしていく物語でした。
第8巻では、それがついに成就と死という形で結実します。

坂本竜馬は、剣で戦うのではなく、
✔ 信頼をつなぎ
✔ 人を育て
✔ 国の未来を考え
✔ 血を流さずに政権を変える

という、まったく新しいタイプのリーダーでした。

現代に生きる私たち50代にとっても、仕事でも家庭でも「調整役」や「橋渡し役」になる機会は多いですよね。
そんなとき、竜馬の姿はまさに“理想の背中”だと感じます。

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最後に:竜馬のように、自分の信じる道を

『竜馬がゆく』を読み終えると、自分も「何か動かしたくなる」感覚が残ります。
それが会社での小さなプロジェクトでも、家庭での会話でも――“自分の考えで動く”って、やっぱりかっこいい。

歴史は昔話じゃない。生き方のヒントです。
次の読書の友に、あるいは一杯やりながらの語り相手に、ぜひ竜馬を思い出してみてください。

それではまた、次の歴史小説でお会いしましょう!